仕事とは何か?<後編>

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前編ではどうして現代社会に生きる人たちの多くが仕事を人生の主軸に置いているかの原因を、狩猟採集時代から見直していくことで突き止めていきました。現代人の大半の人々は、仕事をしていないと経済社会に反旗を翻す非国民のように考えてしまうのが原因でした。

人生を楽しめず、日々ありきたりで感動もないと考えている人によくあるのは、仕事こそが人生の全てだと無意識にでも考えてしまっていることです。雇われ仕事で働いている人にとっては、仕事は給料をもらうだけのものではありません。自分の価値を認識する場になっています。

仕事とはどんなものだと思っているでしょうか。一般的に考えれば、仕事はお金のためにするものです。生活のため、将来のため、家族のために、お金を稼ぐものです。それが当たり前ですし、正解です。しかし、その仕事に、人生の目的や自己表現まで求めてしまう人があまりにも多いです。

1日の大半の時間を仕事が占めているため、いつの間にか自分の人生は仕事と共にある人生だと認識するようになってしまいます。家族やパートナーよりも長い時間ともに過ごす仕事を、自分の人生そのものだと考えるようになってしまうのです。

昇進したり昇給したりすれば、自分の価値が高まったと感じられます。後輩に尊敬されます。自分が偉い人間になった気になります。成果を残せば自分の存在意義をくっきりと認識できます。つまり、仕事は人生そのものになっているのです。

仕事の日をオン、仕事のない日をオフと表現することからもわかるように、仕事のないときはまるで仕事をする前の休息時間でしかないように考えているのです。大半の雇われ仕事をしている人たちは、人生の意味や目的を仕事に求めてしまっているのです。

昔の人たちは、「仕事」と「仕事以外の時間」は明確に区別されていました。前編でも記述したように、狩りや採集の仕事と友人との語らいなどの時間は明らかに違い、そして自分の人生を表現するのは後者の時間でした。今の人たちはそれが混同してしまっているのです。

仕事が自分の人生の目的や意義を発見するための場所であるとすると、仕事の成果が自分の存在を定義するようになってしまいます。つまり、仕事が出来れば自分は存在価値のある人間ですが、仕事で良い成果が出せない場合は自分は存在価値がない人間ということになってしまいます。

仕事のある日は上司の文句や経営陣の訳のわからない指示を淡々と聞き、粛々と営業成績を出すため、あるいは与えられた事務をこなすだけのです。どれだけの仕事をしても、同僚や先輩後輩と実績を比較され、他人よりも悪ければ良い評価を与えられないかもしれません。

仕事のない日はただの休息日。休み明けの仕事に戻るための気力と体力を回復させるためだけの時間です。そこに自己表現を追求する余地はありません。そんな気力も起きません。体も心も疲れていて、とにかく家でぐっすり眠るかぼ〜っとテレビでも観ていたいとしか考えられない。

そしてまた仕事に戻り、上から与えられた指示を聞いてただただ目標を目指して燃え尽きるまで働きます。待ちに待った給料日、耐え抜いたご褒美として些細な外食に出かけます。休みの日に気晴らしに小旅行にでもいきますが、休日が終わればまたあの仕事の日々が続いていくのかと思うと憂鬱で思ったほどの気力は回復できない。この繰り返しではないですか?

結局のところ、人生の目的や価値を仕事で成立させようとしているからこうなってしまうのではないでしょうか。雇われ仕事はあくまでお金を稼ぐためだけのもので、自分探しや人生の目的を探すのは雇われ仕事をしていない時間に目指すようにすれば、今の生活は変わってきませんか?

まずはっきりさせておくべきことは、雇われ仕事はお金を稼ぐためだけのものであり、人生の価値や目的をまぜこぜにしないことです。このように考えれば、あなたの人生の中で、仕事をする時間とは単にお金を稼ぐだけの時間であり、それ以上の価値はありません。そしてお金とは、自分の人生の残り時間を犠牲にして得るものです。そうであれば、あなたの今の仕事は果たして満足できるものでしょうか。

実質時給という考えを紹介しましたが、その観点から今の職場で得ている給料は、実質時給の考え方からするとどうでしょうか。大事なのは、自分の人生の残り時間を削ってもらっているということです。この地球上で生きていく時間は有限です。とても儚く貴重です。ならば、雇われ仕事で賃金をもらうなら、もっと意識的に考えなければいけません。

あなたのやりたいことは、仕事で実現する必要は必ずしもありません。自分の現在やっている仕事とやりたい仕事が一致していなくても良いのです。やりたいことは、仕事以外の時間にやってみてはいかがでしょうか。直接それが出来なくても、そこにつながるものはあるはずです。

作家を目指しているのならまず書いてみる、建築の仕事がしてみたいならDIYから始めてみるのはいかがですか。些細な行動からでも技術は生み出されます。もしかしたら、そういった些細な行動からお金を稼げる仕事に発展するかもしれません。

また、自分の人生の残り時間を大切に思うなら、割りに合わない安月給をしているなら給料アップを図りましょう。転職することもできますし、別の仕事を増やすこともできます。自分の人生を大事に思うからこそ、お金を必要とし、自由になるための糧とするのです。

雇われ仕事は人生の大半ではありません。ほんの一部です。目的でも自己表現の場でもありません。休みの日は雇われ仕事を頑張るための休憩ではありません。天職や自分のやりたいことを少しでも行動するための時間です。収入を最大化するよう努められれば、よりFIREに近づけるかもしれません。

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まとめ

仕事 = 

お金を稼ぐための仕事 + 人生の目的を叶えるための仕事

お金を稼ぐための仕事・・・ただ賃金を稼ぐことを目的としたもの。仕事の目的はそれのみであり、人生の満足感や目的を見出そうとしてはいけない。そうしてしまうと、雇われ仕事が人生の大半となってしまい決して満たされることないのない競争や精神的ストレスに晒されてしまう。

人生の目的を叶えるための仕事・・・自分の人生において大事なもの、人生の目的である無形資産を稼ぐための仕事である。そのためにはお金を活用することも必要になる。しかし、時間とお金は有限でとても大切なものであることを理解すれば、何にお金を使うべきかは自然とわかってくる。

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