地方銀行も地場証券も将来性ないですよ。

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現在私はとある地方銀行に従事しています。正確には、その地方銀行の関連会社の証券会社に勤務しています。内部にいる人間から言わせて貰えば、この業界は将来性がありません、現在のままなら体力のないところからどんどん消えていくと思います。

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金融政策からくる銀行の現状

アベノミクスと言われる経済対策がありました。過去形なのは今では誰もこの単語を使ってないからですが、その際によく言われていたのが三本の矢というもの。

1 大胆な金融政策

2 機動的な財政政策

3 民間投資を喚起する成長戦略

金融業界としては、このうち1番の大胆な金融政策の影響が大きいです。この政策は大まかに言うと「インフレ2%目標」「無制限の量的緩和」「円高の是正」が掲げられていました。

簡単に言いますと、当時はデフレ意識の根強く景気が弱かった日本経済。これをインフレに持っていくために円の価値を下げて、日銀に金融緩和を強力にやってもらい、物価をあげるとことでした。

はじめはうまくいきました。日銀はお金を沢山刷って、そのお金で株式などの金融商品を買い株価を上げることに成功。円を刷りまくることで円の価値を下げて円安に向かわせて、これによって輸入物の値段は上昇しました。

2014年には日銀総裁が株式買付額をさらに拡大させるという政策の強化を行ったことでさらに株高と円安が加速し、アメリカドル円は120円を突破し、オーストラリアドルも100円を超えました。

しかし、やがてアメリカの財務省に怒られてしまうことになります。

おたくの国は意図的に自分のところの通貨の価値を下げているんじゃないか!? それって相場操縦なのではないか?

アメリカの財務省に監視されることになってしまい、日本は積極的な円安の政策をできなくなってしまいました。その後の2016年、日銀はヨーロッパを見習って日銀の当座預金を-0.1%にする、いわゆるマイナス金利政策に踏み切りました。

もともと銀行は、日銀の当座預金にお金を預けると、今までは0.1%の利回りが得られました。なので、特にリスクを犯さなくてもそれだけで確実に利益を彫られていたんですね。

しかし、それが今度はできなくなってしまう。ちなみに既に預けている分にはマイナス金利は適用されないことになっていました。新たに預ける分にマイナスが適用されることになります。

銀行はさて困ったということになります。日銀は自分のところの当座預金に預ける代わりに、企業への融資などにお金を回してもらいたいという狙いがあったのですが、結果これは失敗します。銀行は依然として企業への融資を拡大せず、その代わりにアメリカの国債などに手を出したのです。

銀行は今まで日本国債に投資をして安定的に利益を出してきたのですが、マイナス金利の影響で国債の利回りがマイナス化してしまい運用難に陥りました。そのため利益確保のためにリスクを負わなくてはいけなくなったのですね。

マイナス金利の影響で貸出金利もさらに低下し、銀行は優良先に貸出を行っても利益が取りづらく、収益悪化に見舞われます。仕方がなく手数料ビジネスの強化として、投資信託や保険の販売手数料に頼ることになったのです。

目先の利益ばかりを気にするようになった銀行

銀行は収益悪化により経費削減を余儀なくされました。色々な銀行で支店の統廃合を実施し店舗削減を行っています。削れるものは削り、その上で手数料を上げるというような顧客目線なんてなんのそのの経営を行っています。

営業に関しても、預り資産(投信や保険などの金融商品のこと)収益を強化するために目標と言われるノルマのようなものがどんどんと上がっていき、投資信託では手数料が間に合わないと外貨建て保険を重視して販売するようになりました。ここからもわかるように顧客のことを考えた営業なんて出来なくなったのです。

理不尽な営業目標や経済合理性のない営業方針に嫌気がさし、また将来性に不安を感じた若い行員から次々とやめていく事態となっているのが今の現状です。就職活動で銀行を志望している人をみるとどうしてこの業界を選ぶのか本気で問いたいくらいです。

そして証券会社もどん詰まり状態です。ここ最近の流れで投信や株式の手数料無料化に向かっています。大手やネット証券であればこそなんとか戦略を整えることで無料化に対応できるでしょうが、地場証券などの小さい証券会社では太刀打ちできません。

依然として株式の売買手数料が収益源であり、しかも顧客のほとんどは高齢者です。若い人はほとんどネット証券やスマホに口座を開いており、その利便性に慣れている人たちが小さい対面証券会社で取引することはまずありません。

地方銀行も同じですが、若い人は都心のメガバンクに口座を開いていたり、ネット銀行で口座を持っています。県を外れてしまえば下ろす事も難しい地方銀行の口座など利便が悪く使おうとは思わないでしょう。つまり、高齢の顧客がいなくなった時、地方銀行や地場証券は本格的な終わりを迎えます

既に終わりの始まりはきている

私の勤めている銀行でも若手の退職が加速度的に相次いでいる状態なのですが、それにも増して最近では中堅や管理職レベルの人たちが辞め始めているという状態です。これってかなりまずい事態だと思っています。

いくら新入社員を取り入れるといっても、彼らが育つには時間がかかります。大学新卒社員に即戦力になれる人材は多くありませんが、従業員の退職は止めようがありません。経験のない人材が増えていくだけでは会社は人材不足にならざるを得ません。

うちの人事部はそのことに危機感を抱いてなさそうなところがさらに怖いところです。銀行や証券なんてところは大量採用大量離職が当たり前の業界ですが、その古い考えで今の状況を考えているように思われます。怖い状態です。

こんな状況なのはうちの銀行だけではないです。色々な銀行が同じようです。現状をわかっているのかもしれませんが、それに対し特に対策を講じていない時点でわかっていないのと同じです。

これから就職活動をされる方々は、地方銀行や地方証券を目指すのはおすすしません。もしも就職活動をどうしてもされたいのなら、定年まで勤められない可能性もあることを認識して活動した方が良いと思います。

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