保険

外貨建て保険「プレミアプレゼント」はどっちつかずな終身保険です。

https://www.d-frontier-life.co.jp/products/product.html?product=148&agency=70

第一フロンティア生命という、第一生命グループの保険会社が銀行に窓口販売に提供している商品の一つ、プレミアプレゼントについて説明します。

この保険はよくある外貨建て保険の一般的な終身保険です。特段これといった特徴はありませんが、終身保険としての万が一があった際に増やして遺す特徴と、為替差益が出れば利益確定して解約することも可能な特徴を持っています。

最初の2年間は円建ての最低保証がある。

他の商品と違うのは、外貨建てである為替のリスクを抑えるために、契約後最初の2年間は円建てでの一時払い保険料同等の死亡保険金が円建てで保証されていることです。

本来であれば海外のお金に両替しているので、基本的には円に両替するときは為替レートの影響を受けます。円安であればさらにお金が増えることになりますが、円高になっていれば戻ってくる元本は毀損することになってしまいます。

このリスクを抑えるため、最初の2年間は円建ての保証をしているというわけです。

2年後は外貨ベースで死亡保証が大きく増える。

死亡保険ならではの仕組みですが、この保険は2年経過後、死亡保証が外貨ベースで増えます。これによって、指定した家族にお金を渡す際には海外のお金では預けた時よりも大きく増やして渡すことができるのです。

もちろん、あくまで増えるのが外貨で、なので、家族に渡すときに円に両替する際には為替レートの影響を受けることになります。また、円建てでこの保険を契約する場合ほとんど増えないと言っていいでしょう。

目標を設定して自動的に利益確定をする機能を持つ。

目標を設定して、円換算額で目標を超えた場合、その時点で外貨を円に両替して利益を確定させることができます。この目標とは多くの目標設定型と同じく解約控除などを考慮した上での目標です。つまり初年度で考えると米ドル30年期間だと初年度の控除は5.5%なので、目標設定を最低の105%にしたとしても実際には110.5%になる訳です。

売り文句として使われるのは、「為替の動きなんて毎日気にしている時間も余裕もないですが、この保険は毎日為替を確認してくれて、もし目標まで到達すれば自動的に利益確定するので、タイミングを逃した〜ということになりませんよ

そもそもそのタイミングを見るのもアンタラの仕事ではないんかい、と突っ込まれそうなセリフですが、これは保険会社もこのような言い方をするのでこれが特徴なんだそうです。

しかし、外貨建ての資産を運用していて、為替のいい時と悪い時でタイミングで売買するということ自体、普通の人は経験もしないことでしょうからピンとこないでしょう。そもそも死亡保険なのに利益確定とかなんなんだ、と疑問も抱きます。

結局は銀行に都合の良い商品の仕組みなんです。

結局のところ、何が売りなのか、他の似たような商品とどれだけ違うのかが判別しづらいんですね。死亡保険と言うのは、死亡するときに元金よりも多くのお金を残せるのが売りのはず。しかし、この保険は為替がよければ利益確定しちゃいますと言う一面も持っています。

これはどちらかと言うと、銀行側にとって都合が良い仕組みなんです。銀行としては、目標を決めて利益確定をするシステムにすることで、そうなった時新たな営業の機会ができる訳です。終身保険は万が一のためなので、契約したらそのお金はもう銀行としては営業に使えないお金な訳です。

また、高齢者である顧客にとっては死亡保険そのものの需要が低いので、保険はもう間になっていると言われてしまいます。そのため運用性を持たせることで少しでも多くのニーズを喚起しようとしているのです。

現実的な話をしてしまえば、銀行のお得意さんは大方が高齢者であることはお話した通りですが、投資信託などに関しては高齢者に対する諸々の決まり事があって、ある程度の年齢を超えたお客さんに投資信託を買ってもらうためにはそれなりの手続きが必要になるんです。

それに対し、保険商品は中には90歳まで契約可能なものがあるので、比較的高齢の顧客にも買ってもらいやすい、手続きが楽と言う柔軟性があります。その上で銀行への収益性も高いのでこういった商品の販売戦略が目立つのですね。

提案をされている方は、こう言った事情も勘案の上、ご自身にとって本当にこの保険に入ることが有益かをよく検討されてから加入することをお勧めします。

-保険