定期預金は損する可能性の高い金融商品です!

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金利、と聞くと思い浮かべるのは預金金利やローン金利などではないでしょうか。

例えば銀行の普通預金や定期預金の金利は、名目金利と分類されます。名目とは「表面上の〜」といった意味を持っておりまして、つまりは見せかけの金利という意味にもなります。本当の意味でお金が増えるためには、実質金利が重要になります。

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10年後の100万円は、今の100万円と価値が違うかも。

100万円は、賞味期限も消費期限もありません。どんなに長期保管していようと腐ったり無くなったりするわけではありません。ですが、その価値が下がっていくという可能性はあるのです。

例えば現在100万円で販売されている車があったとします。これは手持ちの100万円で購入できます。これは、今の手元の100万円はその車を買う力があると表現されます。この物を買う力のことを「購買力」と表現します。

さて10年後、物価が上がり、車の販売価格も高くなって110万円になってしまいました。こうなってしまうと当然ですが手持ちの100万円では買えないですよね。経済の観点でみるとき、この場合物の値段が上がったことでお金の購買力が下がったと考えます。

これは、この10年間で100万円の購買力が下がったことを意味します。つまり、数字上は変わらなかったにも関わらず、損をしていることになるのです。経済の世界では、お金の価値は数字だけで考えず、実際にお金が物を買うときの力が強いか弱いかを重視します。

実質金利は「名目金利 − 物価上昇率(インフレ率)

金利の話に戻しましょう。今現在、ほとんどの銀行の定期預金金利は0.01%です。これは100万円を預けても1年後の利息は80円弱ということになります。今日日ATMの時間外手数料だってそれ以上取られることを考えると、全然金利なんてつきませんよね。

例えば、普段よく買う物たちの値段が1年間に1%上がってしまったらどうでしょうか。カップラーメンでもアイスでもパンでも、今の日本のように物価が上がっている状態を考えてみてください。定期預金にしていてもお金は0.01%しか増えないのに、物の値段は1%増えているとなれば、単純に考えると0.99%損をすることになるんですね。

見出しにも書きましたように、実質金利というのは本当の利回りのことを指します。これは

名目金利(定期預金などの金利) − 物価上昇率(インフレ率)

と計算式として求められます。先程の例で表すと、

0.01% – 1% = -0.99%

ということになりますね。この場合、定期預金に100万円を預けると1年後には損をすることになるというわけです。

今の日本は物価を上げる政策をしている。

今でこそ全く話題にも上らなくなってしまいましたが、2012年に安倍政権が誕生してから、アベノミクスと言われる経済対策が行われることになりました。三本の矢といわれる政策のうち、大胆な金融政策といわれるものに毎年2%ずつ物価を上げていこうという目標のもとあらゆる金融政策が打たれることになりました。

結果的にはこの目標はもうしばらく経っていますが達成できてはいません。日本銀行の黒田総裁も目標年度を伸ばし伸ばしして、最終的にはいつまでという目標を定めないと開きなっているくらいです。

とはいえ、着実に物価は上がっているのが実際です。一言で物価と言っても色々なものの値段がありますが、私たちがよく買うスーパーの品物も値段が上がっていることは誰しもが気づいていることだと思います。

よくニュースなどで物の値段が上がって生活が厳しいわという街の声をレポートしている番組がありますが、この要因の一つにこの実質金利の罠があるのです。つまり、周囲の物の値段は上がっていくのにも関わらず、自分のお金は増えていかないのでどんどん生活が苦しくなっているのです。

これはつまり、実質金利がマイナスになっているのでお金を預けていても損をしている状態なのです。国が前々から貯蓄から投資へと喚いていたのには、こう言った理由もあるんです。これから日本は物の値段を上げていくからその対策を各個人の自己責任でやってくれ、国は面倒見きれないぞと言っていたのです。

2012年から現在までで、日経平均株価はおよそ2.5倍に増えました。これ自体は手放しで喜べるわけではない手法を使っていることもあるのですが、いずれにせよ日経平均株価のインデックスファンドに預けていればこの約7年で資産は2.5倍になっていたかもしれないのです。これが投資をする意味です。

結論、今の日本では定期預金をするとまず損をします。

以上のことから、0.01%の定期預金にお金を預けていても増えないどころか実際には損している状態です。もしも色々な物の値段が国の目標通り2%ずつ増えていくと考えれば、定期預金の金利も2%ないといけないのです。しかし現実はそうではありません。

残念ながら、資産運用なり副業なりで資産を増やすシステムを作らないでただ預金にしかお金を置いていないと、あれよあれよという間にお金がなくなってしまうことも考えられます。定期預金は安全な金融商品というわけではないのです。ただ額面が減らないだけです。

さあ、お金を守る行動を起こしましょう。

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