3分で分かる小型株効果

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投資の世界にはいろいろな経験則があります。週末は株価が下がり安いとか5月には売りが強くなるとか、そういったもののことをアノマリーと呼びます。その一種にあるものが小型株効果というものです。

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小型株とは小型株

そもそも小型株とはどのような銘柄のことを指すのかですが、株式投資の世界ではその企業の時価総額を大中小と区分けして大型株、中型株、小型株と分類分けします。ちなみに小型よりもさらに時価総額が小さい銘柄を指して超小型株と呼んだりします。

実際に時価総額がここまでが大型、ここまでが中型といった厳密な区分けはありません。ですのでここでは小型株というのは時価総額があまり大きくない企業全般の銘柄だと認識していただいて結構です。

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小型株効果とは

小型株効果とは、小型株の方が、大型株や中型株よりも高いリターンを得られやすいという統計結果から語られる経験則の一種です。

どうして小型株の方がリターンが出やすいのかについてはいろいろな投資家が考察していますが、一般的に言われるのはまず伸びしろです。小型株は基本的に成長途上の企業が多いです。

或いは一度なんらかの原因により売り上げや業績が低迷した企業なんかにも小型株は多かったりします。これらの企業は、例えば売上高5億円の企業が50億円にすることは可能でしょうが、売上が5000億円の企業が5兆円にするのは難しいでしょう。

小型株は成長中であったり低迷期に入っている企業が多いので、企業が成長し始めれば株価も合わせて上昇していくことになりますので、すでに成熟した企業よりも中長期的なリターンに反映されやすいのです。

また、単純に大型株と比べてリスクが高まえるため、リスクプレミアム(リスクを取ることで得られる追加期待リターンのこと)が高まるためだと考えられてもいます。例えば小型株は発行株式総数は少なかったりするため、ある程度のロットで株式の売買が行われると株価が大きく上下したりします。

成長企業はその勢いこそ強いですが、成長が鈍化したときに株価の下落も大きいものです。また小型株の企業群はなかなかアナリストも分析がしづらいものがあります。出ている情報が少なかったり、そもそも情報が間違っていたりすることもあります。

ひどい会社などは自社の株価を上げるためにIR(投資家に対して行う広報活動)を通じて、期待させるようなIRを連発して株価を意図的に上げようとするところもあります。またそもそも小型株は倒産リスクも大型株と比べて高いです。

このようなリスクを受け入れる代わりに、リターンも大きくなりやすいというのが小型株効果の考え方です。

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自身で分析出来ないなら手出し無用

小型株効果には生存者のバイアスがかかっているとよく批判されます。ここでの生存者バイアスとは、生き残った企業だけでリターンの統計をとっているので必然的にリターンが高くなるのは当然だという話です。これは事実でしょう。また自社を良くみせんがために決算書をいじっている可能性も全くないとは言えません。

ただ基本的に、将来どうなるか分からないものに資金を投ずるのであればそれがどんな種類のものであれ投機です。当たるか分からない宝くじ、競馬、パチンコ。成長するか分からない企業への投資。どちらも本質は同じです。

小型株に属する企業は規模的にも小さく情報があまり出ていない会社が多いので正確に企業分析をするのは難しいです。常に決算報告書を読み込んで報告会などには欠かさず出席し経営者の考えを知ろうにも過去の決算資料を読んだりするのも出来なかったりします。

その点、大型株に属する企業はある程度情報開示もしっかり行われていますし、アナリストなどが分析もしてくれているので参考にもできます。将来性の分析は小型株よりはるかに楽です。

また小型株効果はいつでも起きているわけではなく、ある一定の期間は大型株の方が強い、という相場だってあります。小型株なら儲かりやすいと安易に判断すると痛い目を見ますのでお気をつけください。

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