投資の世界では、バイ&ホールド戦略というものがあります。読んで字の如くですが、買って保有し続けるという戦略です。戦略もへったくれもない話ですが、これって言葉で表現すれば簡単そうですが、なかなか難しいものなんです。
先日とある投資を始めて1年くらい言う若い知り合いの方と話をしていたときの話です。彼はFXや先物取引をしてきたのですが思うような成果を出せなかったとのこと。
長期投資家は凍死家ではありません
短期売買には短期なりのルールがあり、それ以外にも多くの経験と度胸と精神力が必要になることから、投資の目的が短い期間でお金を増やしたいと言うわけでなく資産形成のためであれば長期投資はどうかとお話をしました。そんな時に彼から言われたのが、
「それっていわゆる凍死家ですよね」
説明させていただきますが、凍死家というのは株式を買い付けたのは良いものの目論みが外れて株価が下落してしまい、売却すると損失が確定してしまうのでこの事実から逃れる言い訳としてずっと持っていればいずれ戻るさという思考停止をしてしまう投資家のことを揶揄した表現です。
投資を始めた方からすれば、株を長期で保有しているという人は単純に何も考えないで売ることも諦めてしまった人、というようなイメージを持っているのだと思います。このイメージは、割と間違っていないというか、そういう人は非常に多いんです。
私も以前は株式のトレードをやっていましたし、その経験からお客様に株式売買を案内する時にお話しするんですが、短期売買をする時には、何故買ったのかを明確にしておく必要があるんですね。
例えばとある銘柄のチャートが良い形をしていたので買って一週間以内には売却しようと考えたとします。しかし、買った後に株価は下落を続けて、数日で10%の損失を被ってしまったとします、さあ、どうしましょう。
トレードの基本は損小利大です。損小利大とは損失は小さく、利益は大きくという意味で、頻繁に売り買いをする中で損失は最小限にしなければどんなに利益を取っても無くなってしまう。利益を増やすことよりも損失を抑える方が重要だという意味です。
トレードを行う際に当てが外れて株価が下がり損失が発生したら、その後に期待や未練など持たず損切りをしなければいけません。そうして他の銘柄を探すのです。ダメだと思っても損切りができず保有し続けてしまうと最初に決めた購入の理由さえも蔑ろになりいつまでもずるずるといってしまいます。
そうやってやがて売るに売れないくらいまで株価が下がり、もう何もできなくなってしまう人を凍死家と呼ぶんです。これは、長期的な展望のある企業に時間をかけて成長を見守る投資とは全く意味が違います。
長期投資を実現するためには、10年20年としっかりビジネスを続けられる企業に投資する事です。ここではそんな企業の選び方を一つご紹介します。
営業キャッシュフローマージンを意識する
会社の成長の源泉はなんでしょうか、利益です。ここでいう利益とは経常利益或いは当期利益のことを指します。営利活動の末売り上げを計上し、そこから必要経費やその他諸々を控除して、最終的に残った利益を設備投資や株主還元などに回すのです。これが株主の利益になります。
では、どんなものを指標にすれば良いでしょうか。株式投資の指標は数多くありますが、ここでは営業キャッシュフローマージンを推奨したいと思います。営業キャッシュフローとは「営業活動から経費を差し引いた、どれだけ稼いだかを示す指標です。
営業キャッシュフローマージンは営業キャッシュフローから売上高を割って求める、どれくらい経費をかけずに効率的にキャッシュを稼いだかを示すものです。この数値が高いほどうまくお金を稼いでいるということですね。
求め方は「営業キャッシュフロー ÷ 売上高」です。
一般的に、この数字が15%以上が望ましいとされます。もちろん、この数字が高ければ高いほど非常に優れたお金の稼ぎ方をしているということになります。ここで非常に素晴らしい営業キャッシュフローマージンを出す企業の一例を紹介しましょう。
米国優良企業は効率的にキャッシュを沢山稼いでいる
アメリカの有名な有料企業はこの数字が須く大きいです。VISAやアップルやマイクロソフトやファイザーなど、大企業はこの辺りの数字が非常に優秀です。調べればわかりますがこの営業キャッシュフローマージンも30%超えてる企業が多くあります。
株価も調べてみると長期的に株価はどんどん上がっていきます。これはたくさんお金を稼いで、そのお金で株主還元や設備投資を行い企業をさらに成長させて株価に反映させているからです。このような企業は長期的に保有していても投資に失敗しない可能性が高いのです。
特に根拠はないけど株価が上がってる銘柄を買って売ってを繰り返すのと、確実にキャッシュを稼ぐ企業に長い視野で持って投資を行うこと。どちらが最終的に利益を残せそうか、お分かりだと思います。
どんな銘柄も長期的に保有すれば助かる、なんてことはありません。しっかりとした銘柄選びは必要です。このブログでも定期的にそういった情報発信をして参りたいと思います。
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