3分で分かるBPS

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BPSとはあまり聴きなれない言葉かもしれませんが、この指数の意味を知ることで株式の価値をさらに詳しく評価できることにつながるので是非知っておいてください。BPSを3分で分かりやすく説明します。

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BPSはもう一つの株価

BPSとは、正式名称はBook-value Per Shareと表記され、一株当たりの純資産と訳されます。企業の純資産の総額を一株当たりで計算したものだと考えてください。単位は円やドルなどで表記されます。

純資産というのは、企業の保有している総資産のうち、借入金などのお金を除いて、純粋に会社が持っている資産のことです。つまり、株主が出資したお金の総額といえます。会社が倒産して精算した際に、株主に戻ってくる資産を表します。

BPSの計算式は次のように求められます。

BPS = 純資産 ÷ 発行株式総数

例えば純資産が10億円で、発行株式総数が100万株の場合、この計算式に当てはめるとBPSは1,000円ということになります。つまり、一株当たり1,000円の純資産が割り当てられることになります。

実際は色々な支払いなり費用がかかるのでこの限りではないですが、理論的な話をすればこの会社が倒産した場合に100株保有している株主に戻ってくる資金は、100株×1,000円なので100,000円ということになります。

要するに、BPSとは会社が精算した際に1株当たりどれだけの支払いがされるかという指数だと思ってください。

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BPSが高ければ資産の面で安定している証

1株あたりの純資産が多いということは、それだけ資産が厚いということなので安定していると表現できます。ちょっとやそっとの不況や不振は乗り切れるだけの体力を有しているということですから。

これが逆にBPSが小さければ、総資産のうち借金の割合が高いということになります。借金の全てが悪いわけではなく、経営戦略上低金利で資金を調達するのは米国企業ではよくあることですが、借入金が多い場合、例えば金利が上がる局面では支払い利息が増えるのでコストが増加し業績にはマイナス材料になります。

A社とB社があったとして、どちらも株価が1,000円なのに対し、A社はBPSが1,500円、B社のBPSが1,000円であったとしたら、A社の方が良いのは明白です。こういう場合、A社はB社と比較して割安であると判断されるのです。

PBRの用語説明ページでも計算式を載せていますが、PBRはこのBPSを使っても求められます。計算式は

PBR = 株価 ÷ BPS

で求めることができます。この数字が大きければ万が一の時に株主に戻ってくる資金が増えることになるので魅力的な価格水準だと判断できるわけです。発行株式総数で割っているので株数の違いは考えなくても済みます。

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BPSを考える際の注意点

BPSは純資産を発行株式総数で割って求めるものなので、純資産が増えればBPSも増加します。純資産が増える場合には主に借金を返済する、純利益をストックするなどで増加するのでどちらもポジティブ要因です。毎年BPSが増加していく企業は、それだけ資産を増やし続けられる企業です

また発行株式総数が少なくなってもBPSは増加します。自社株買いなどが方法で、株主にとっては保有している株式の価値が向上するのでありがたい話です。いずれにせよBPSが増加することは株主にとってプラス要因です。

但し細かくいって仕舞えば帳簿価格に不動産などがある場合は実際の価値と帳簿価格が一致していないこともあったりするので、厳密に調査するなら純資産の内訳も調べる必要がある。一般の投資家はそこまで調べていられないだろうから、あくまで目安としてこの指数は考えてもらえればと思います。

また、いずれの指数にも言えることですが単体だけでは本当に割安かどうかは分かりません。他の指数とも合わせて考えることで株価の妥当性を検討できます。

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